パリより:70年目の夏に。〜日当りのいい“女の子の学校”

日当りのいい“女の子の学校”

近道をしようとしていたのかもしれません。
いつもと違う辻に入ると、こんな建物があることに初めて気づきました。
明るい日射しを浴びた、感じのいいファサードには、トリコロール、フランス国旗がはためいていますね。公共の建物です。

porte近づいてみると門の上に、“女の子の学校”、と彫ってあります。
昔の、地区の運営する、公立の学校だったものです。
『失われた時のカフェで』のヒロイン、ルキが通っていたのは、もっと坂の上のほうですが、でもこういう学校だったのかもしれないなぁ、とふと思いました。
下の写真を拡大すると判ると思いますが、門の右手のグレイの看板に書いてあるように、いまでは幼稚園として使われているようです。
パリでは、こんなふうに、建物の元の名称などがそのままファサードに残っていることが多いです。
いいじゃないか、きれいだし、ということでしょうか。
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「ふらんす」8月号、巻頭エッセイ「フランスと私」に寄稿*「短い答と、長い答。」

ふらんす8月号白水社「ふらんす」2015年8月号(2015年7月22日発売)巻頭エッセイ「フランスと私」に「短い答と、長い答。」を寄稿しました。
実はその気にさえなれば(笑)
僕は所謂“beautiful writing”的な原稿も、書けないわけではないのです。
しかし今回のこの原稿は、やはりちょっと作文のお手本にはならないだろうなぁ…という気がします;)
というのも、この原稿は、昨年「ふらんす」、ムッシュー・モディアノのノーベル賞特集号に寄稿させていただいた際に(「TVのモディアノ」
こちらにも書いてくださいね、というようなお話をいただき、その時点で、何を書くか、ささっと簡単に考えてしまっていました。
しかし実際に依頼されたのはその半年後で、その時に考えたこととはやはり、ちょっと違うことを書きたくなりました(笑) 続きを読む

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FRaU3月号に寄稿*「あなただけのパリがきっと見つかる」

東方神起平凡社「こころ」に続いてもうひとつ、年末年始に書いたエッセイです:)
「こころ」原稿は4ページで、モディアノについて『失われた時のカフェで』刊行以降にあれこれ新しく考えたこと、書いておきたかったことを駆け足にですがたくさん書かせてもらった、僕としては重要な原稿になりました。
一方こちらは女性向けファッション誌の本の紹介で、1ページ。
しかし僕のプロとしての通算のキャリアのなかで、これまでどこにいちばん原稿を書いてきたか、
要するに、僕はどこに原稿を書くプロなのか、といえば…それは実は、女性向けファッション誌、ということになるかもしれません。
そういうわけで、今回も、いざ書いてみると 続きを読む

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平凡社「こころ」Vol.23に寄稿。

kokoro242x346年末年始にコツコツ書いたモディアノ関連の原稿から、まずは平凡社「こころ」Vol.23「ようこそモディアノ・ワールドヘ~『失われた時のカフェで』を起点として」;)
この原稿のポイントは、なんといっても全4ページと比較的長さに余裕があったことと、ファッション誌等ではないので、わりとザクザク書けたこと。さらに未訳の原書を取り上げてもいい、ということだったので、基本はモディアノ自体の紹介のため重複する部分も多少はありましたが、それ以上に、『失われた時のカフェで』併録の話題の強力解説;)以来、気になってたことの多くに、足早にでしたがかなり言及できたように思います:)
というわけで、わりと重要な原稿になりましたので、ここにどういう内容が書かれているか、大雑把にアイテマイズしておきます: 続きを読む

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「ふらんす」1月号モディアノ特集に寄稿*「TVのモディアノ」

ふらんす白水社「ふらんす」2015年1月号(2014年12月22日発売)パトリック・モディアノ特集に寄稿しました。
「ふらんす」は『失われた時のカフェで』刊行後の時点でもしっかりレヴューを出してくれており、今回のノーベル賞にちなんだ特集に参加できて非常によかったです。
内容としては、日本の大学の仏文科関係者とフランス語学習者が読者の雑誌なので、どちらに対象を絞るべきか最初、わりと悩んだのですが(笑)
結局、知識を並べていかにももっともらしいことを書くものではなく(笑)僕の本来いちばんやりたいところで書いてしまいました: 続きを読む

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『失われた時のカフェで』ノーベル賞特別エディション出来記念・翻訳楽屋話

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IN STORE NOW!!:
『失われた時のカフェで』増刷が出来。2014年パトリック・モディアノ、ノーベル文学賞受賞に伴う記念特別エディションです。
内容全体の紹介はこちら

*「一時的に在庫切れ; 入荷時期は未定です。」表示であっても、現時点では必ず入荷・発送されますので安心してご注文ください。
古書ではなく、記念エディション(新刊)をぜひどうぞ! 現在は第4刷です。
書店店頭での入手をご希望の方は、お近くの書店でご注文下さい。
*現時点では、必ず取り寄せ可能です。

重版出来を記念して、今回の変更点をめぐっても、 続きを読む

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翻訳:D. ストリューヴ「源氏を訳す」を訳す;)

日仏翻訳交流の過去と未来: 来るべき文芸共和国に向けてテオリックなものになりますが、ダニエル・ストリューヴ先生の「『源氏』を訳す」(『日仏翻訳交流の過去と未来』大修館書店刊収録)の翻訳を担当させていただきました。
ストリューヴ先生は、現在のフランス、パリ大を代表する日本古典文学の第一人者のひとりで、ご専門は近世文学。以前、フランス語からの翻訳について質問したところ、
現代語だとどうなるかはともかくとして…とどんどん日本語の古文に訳されてしまい、目を丸くした、ということもありましたが(笑)
今回この翻訳を僕に任せてくださったのは、何にもましてまず、先生のご厚意から、ということができます。というのは、高名な日本のフランス文学者に依頼することももちろんできたはずですし、それどころか、ご自分で訳すことだって、当然できたはずだからです(笑)
ひとつには、ここで先生が読者に紹介し、かつ議論の出発点としている、中山眞彦物語理論をストリューヴ先生にご紹介したのが、たまたま僕の研究発表だった、ということがあったと思います。
…一方、理にかなっている点もひとつ挙げるとすれば、ここで議論の基礎になっている全てのナレーション理論が、 続きを読む

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恐ろしく高度で、瀟洒。洗練の極致を示す、夢、または寓話。ため息。

modiano20142014年ノーベル文学賞受賞にともない、モディアノ最新刊 Pour que tu ne te perdes pas dans le quartier が関係者に配布されており、僕も読んでみました。
まず、モディアノ文学がまた新たなレヴェルに到達した、ということがいえると思います。非常に完成度の高かった『失われた時のカフェで』に続いた、L’horizon (2010)、L’herbe des nuits (2012)この2作はやはりやや実験的で、跳躍への準備でもあった、ということが回顧的には判ります。
日本語に訳す、というようなことさえ考えなければ(笑)、それこそフランス人読者であれば、だいじに読んで二晩、というところでしょうか。再び三人称を採用したこともあり、とくに前半はまたがくんとリーダビリティが上がっている、いつものミステリ・タッチが、殆んどほんとのミステリ小説のよう(笑)
より客観的で、ゆえに非常に読みやすい、というしかない、見事な仕上がりになっています。
後半に至って遂に 続きを読む

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祝・P. モディアノ 2014年ノーベル文学賞!『失われた時のカフェで』、増刷決定:)

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パトリック・モディアノ、2014年ノーベル文学賞受賞に伴い、『失われた時のカフェで』増刷決定! 受賞の意味を解き明かす記念エッセイ付きの特別エディション、近日出来。

パトリック・モディアノ、2014年ノーベル文学賞受賞に伴い、『失われた時のカフェで』、増刷が決定しました!:)
現在の日本の出版事情で 続きを読む

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オフィシャルtumblr情報:2014 夏休み フランスお笑い祭り

フランスの人気お笑いタレント特集公式tumblrサイトにて、2014年、夏休み特別企画、
ないしは特別チャレンジ!として;)
“フランスお笑い祭り”と題し、6回連続のシリーズを敢行しましたw
表題通り、フランスのお笑い芸人、“お笑いフランセ”と僕が呼ぶところの(笑)所謂ユーモリストを6組紹介するもの。

パリ暮らしも節目の10年、ということで、やはり、実際にゆっくり住んでいないと判らないのでは??…と思われるあたりを書いてみました。
ある種のリファランスとしてはもちろんですが、それだけでなく、
フランス語がわからなくても、原稿として面白く、かつ何となく感じがちゃんとわかるよう、心を砕いたつもりです。
お楽しみいただけましたら幸いです:)

=> 2014 夏休み フランスお笑い祭り ①~⑥
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