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新しい論文を発表 :「川へはいつちやいけない」のは誰か?

新しい小論文を『言語態』19号に発表しました。東大リポジトリより誰でも無料でダウンロードできます!
「川へはいつちやいけない」のは誰か? 物語内ナレーターの機能と効果 : 「ポスト・ナラトロジー」で読むウルフ、谷崎、賢治

今回は、博士論文『「細雪」の詩学』で展開した比較ナラティヴ理論のアプローチで、より多くの人に簡単に読んでもらえる、
より一般的に興味を持ってもらえる論文を目指しました。

前半には、やはり理論的な整理や論点の話があって、そこは興味を持てない人もいるかもしれませんが、まぁ、ここがないとその後に論じることの目的や意義も判らなくなってしまうので(笑)一応読んでみてください。
後半は、ノン・コミュニケーション理論では頻繁に論じられるヴァージニア・ウルフの作品から、翻訳も二通り出ている『』をまず踏まえて、
次に博士論文でも検討した谷崎潤一郎『』、
最後に国語教科書で読んだという人も多いのでは…と思われる、宮沢賢治「オツベルと象」を、
それぞれノン・コミュニケーション理論とナラトロジー(コミュニケーション理論)の〝あわせ技〟で分析しています;)

基本的には『「細雪」の詩学』と同じく、日本文学と海外文学が、ともに同じ文学として、一見それぞれまったく違うようでありながら、実は本質的に通じ合うところがある、という、
つまり、あらすじとか、人物とか、設定とか、舞台とか、それぞれの作家(著者)の人生や、「いいたかったこと」etc., etc. といった人の目をひく、表面的な見かけの底にある、大きくいえば〈詩学〉を求める、という論文なのですが、
今回はより短く、具体的に、また特に、国語教科書、国語教材にもなる賢治を例にして、さらに親しみやすい内容になっています。

小説や文学が好きな方はもちろん、これから小説を書こうとしている若い方にもヒントになると思いますし、
また、高校の国語科の先生方にも、今回はぜひ読んでいただきたいと思っております。 続きを読む

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新刊フォローアップ【公式】2024新刊まつり!!

平中悠一2024年4月10日、2冊同時に刊行された『「細雪』の詩学』と『シティポップ短篇集』。既にお手元に届きましたでしょうか。
刊行1ヵ月を機に、前回のポストで予告していたように、博士論文『「細雪」の詩学』の、ふだん論文、研究書を読みつけていない人はこの本をどう読めばいいか、という(攻略法?の)ガイドを、ポッドキャストで話しました。
しかし、ポッドキャストで、耳で1度聞いただけでは判りにくいかもしれません。そこでこちらにも、その読み方の流れを簡単にまとめておくことにします。

が、その前に、今回の新刊『「細雪」の詩学』と『シティポップ短篇集』の紹介記事・ポストへのリンク、
『「細雪」の詩学』の読み方ガイドの入ったその問題のポッドキャスト、さらに『シティポップ短篇集』を紹介したその前回、4月のポッドキャストへのリンクと、
最後に『「細雪」の詩学』については既知のバグ(ミスプリント)をまとめていますので、その一覧表も設置しておきます。

目次
1. 紹介記事案内
2. ポッドキャストの紹介
3. 『「細雪」の詩学』の読み方
4. 既知のバグ:『「細雪」の詩学』初版

1. 紹介記事案内

これまでに気がついたもののうちから一部になりますが、今回の新刊2冊が紹介された記事、ポストへのリンクをまとめます。
まず、新刊2冊を紹介した記事として、2024年4月22日毎日新聞夕刊、学芸覧に掲載されたインタヴュー。

「シティポップ」を読み解く 軽やかな「期待感の時代」 平中悠一さん、アンソロジー刊行

『シティポップ短篇集』を中心としたインタヴューとしては、

シティポップ」は音楽だけにあらず。〜集英社オンライン|ニュースを本気で噛み砕け

『「細雪」の詩学』については、博士論文としての最終審査を担当して下さり、この論文を隅々までご存知の東京大学の先生方のソーシャルメディアポストがやはり、貴重です。 続きを読む

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=速報= 新刊4・10発売、予約受付を開始!



各ソーシャル・メディア、facebook, thread, Medium, instagram, twitterではお伝えしてきましたように、4・10発売の新刊『「細雪」の詩学』、予約が開始されています!

紙の書籍としては、翻訳から約10年、単著としては約20年ぶりになりますが、東大の大学院に提出した博士論文。タイトルは変えましたが、本文をそのままのかたちでお届けします。

内容からいえば、当然、文学、日本文学研究、谷崎研究の専門家の方、
また物語理論、ナラティヴ理論、比較文学の方にも面白く読んでいただけると思いますが、同時に今回は、高校の国語科で、
さて、文学をどう教えよう…と真面目に取り組んでおられる先生方にもぜひ読んでいただきたい、と思っております。
谷崎『細雪』をテクストにした理論分析ですが、いま現在、小説を書いている、そしてこれから書こうとしている小説家、作家の皆さんにも、ヒントになることがたくさんある本ではないか、と思います。そもそも僕の関心が、“小説を書く人”の関心ですから。。

もちろんこれまで僕の本を読んできて下さった方、
特に最近、紙の本が出ていないから、紙の本が出たら買うんだけど、というようにいって下さっていた皆さんには、大変お待たせいたしました(笑)
今回は人文書、研究書ということで、
そういう理論的な本は面白くなさそうだ、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
上手く読めば、ちゃんと読めるようになっていますので(笑)
また実際に本が出てきましたら、こういうふうに読むと上手く読める、というような読み方のガイドも行うつもりです。
どうぞご心配なく、予約しておいて下さい;) 続きを読む

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ポッドキャスト1年のまとめ〜第1シーズン(フル)完結!

昨年8月より、またひとつの新たな試みとして、月1で配信してきましたポッドキャスト。
一応目標の12エピソードを全て配信し終えました!
タイトル一覧は、このようになります:

#11「また1年の終わる時」 完全版 | 音楽抜き版(シーズン最終回)
#10「雨の日の物語(論)」 完全版 | 音楽抜き版
#9「光の消えた、光の街で」 完全版 | 音楽抜き版
#8「メインストリームの終わりと、インディーズの終わり」 完全版 | 音楽抜き版
#7「私たちの結婚式」の「私たち」とは誰か? 完全版 | 音楽抜き版 pt.1pt.2pt.3
#6「K pop 昔ばなし」 完全版 | 音楽抜き版
#5「飛行機のサンバ」 完全版 | 音楽抜き版 pt.1, pt.2, pt.3
#4「おとぎ話の雪が舞い降りる夜に」
#3「戸沢暢美ソング・ブック」
#2「明るい部屋」とあの日の光
#1「9月のBonsoir(ボンソワール)」
平中悠一のポッドキャスト #0(パイロット)

第5エピソードからは、スマートフォンでもSpotifyをダウンロードしなくても聴くことができるように、「音楽抜き版」も配信しました(音楽込みではspotify以外に配信できないため)。
ここではリンクは「完全版」(音楽入り)はSpotifyに(パソコンではブラウザでも聴けると思います)、
「音楽抜き版」」はSpotify Podcastersのサイトに張っておきました。
= Spotifyではぜひフォローもお願いします! =

「音楽抜き版」に関しては、iPhone、またはAndroidのアプリからも聴くことができると思います。キーワード「平中悠一のポッドキャスト」で検索してみてください。

また第6話「K pop 昔ばなし」 に関しては、Spotifyに紹介したい曲が当時見つからなかったこともあり、YouTube版も作ってみました! 続きを読む

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