ナラション理論

「ふらんす」8月号、巻頭エッセイ「フランスと私」に寄稿*「短い答と、長い答。」

ふらんす8月号白水社「ふらんす」2015年8月号(2015年7月22日発売)巻頭エッセイ「フランスと私」に「短い答と、長い答。」を寄稿しました。
実はその気にさえなれば(笑)
僕は所謂“beautiful writing”的な原稿も、書けないわけではないのです。
しかし今回のこの原稿は、やはりちょっと作文のお手本にはならないだろうなぁ…という気がします;)
というのも、この原稿は、昨年「ふらんす」、ムッシュー・モディアノのノーベル賞特集号に寄稿させていただいた際に(「TVのモディアノ」
こちらにも書いてくださいね、というようなお話をいただき、その時点で、何を書くか、ささっと簡単に考えてしまっていました。
しかし実際に依頼されたのはその半年後で、その時に考えたこととはやはり、ちょっと違うことを書きたくなりました(笑) 続きを読む

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『失われた時のカフェで』ノーベル賞特別エディション出来記念・翻訳楽屋話

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『失われた時のカフェで』増刷が出来。2014年パトリック・モディアノ、ノーベル文学賞受賞に伴う記念特別エディションです。
内容全体の紹介はこちら

*「一時的に在庫切れ; 入荷時期は未定です。」表示であっても、現時点では必ず入荷・発送されますので安心してご注文ください。
古書ではなく、記念エディション(新刊)をぜひどうぞ! 現在は第4刷です。
書店店頭での入手をご希望の方は、お近くの書店でご注文下さい。
*現時点では、必ず取り寄せ可能です。

重版出来を記念して、今回の変更点をめぐっても、 続きを読む

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翻訳:D. ストリューヴ「源氏を訳す」を訳す;)

日仏翻訳交流の過去と未来: 来るべき文芸共和国に向けてテオリックなものになりますが、ダニエル・ストリューヴ先生の「『源氏』を訳す」(『日仏翻訳交流の過去と未来』大修館書店刊収録)の翻訳を担当させていただきました。
ストリューヴ先生は、現在のフランス、パリ大を代表する日本古典文学の第一人者のひとりで、ご専門は近世文学。以前、フランス語からの翻訳について質問したところ、
現代語だとどうなるかはともかくとして…とどんどん日本語の古文に訳されてしまい、目を丸くした、ということもありましたが(笑)
今回この翻訳を僕に任せてくださったのは、何にもましてまず、先生のご厚意から、ということができます。というのは、高名な日本のフランス文学者に依頼することももちろんできたはずですし、それどころか、ご自分で訳すことだって、当然できたはずだからです(笑)
ひとつには、ここで先生が読者に紹介し、かつ議論の出発点としている、中山眞彦物語理論をストリューヴ先生にご紹介したのが、たまたま僕の研究発表だった、ということがあったと思います。
…一方、理にかなっている点もひとつ挙げるとすれば、ここで議論の基礎になっている全てのナレーション理論が、 続きを読む

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恐ろしく高度で、瀟洒。洗練の極致を示す、夢、または寓話。ため息。

modiano20142014年ノーベル文学賞受賞にともない、モディアノ最新刊 Pour que tu ne te perdes pas dans le quartier が関係者に配布されており、僕も読んでみました。
まず、モディアノ文学がまた新たなレヴェルに到達した、ということがいえると思います。非常に完成度の高かった『失われた時のカフェで』に続いた、L’horizon (2010)、L’herbe des nuits (2012)この2作はやはりやや実験的で、跳躍への準備でもあった、ということが回顧的には判ります。
日本語に訳す、というようなことさえ考えなければ(笑)、それこそフランス人読者であれば、だいじに読んで二晩、というところでしょうか。再び三人称を採用したこともあり、とくに前半はまたがくんとリーダビリティが上がっている、いつものミステリ・タッチが、殆んどほんとのミステリ小説のよう(笑)
より客観的で、ゆえに非常に読みやすい、というしかない、見事な仕上がりになっています。
後半に至って遂に 続きを読む

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