Author Archives: yuichihiranaka

パリで見つけたこの1枚*ディヌ・リパッティ「主よ、人の望みの喜びよ」

Lipatti, "Jesu, Joy of Man's Desiring"フランスでは、7月は1年の終わり。

欧米の年度が秋に始まる、ということは有名ですが、夏に1年が終わる、ということは、実感としてはちょっと判りにくいかもしれません。
でも、ちょうど日本の年末のように、たとえばTVでもレギュラーの番組はおやすみになって、特別番組、今年の総集編とか、今年のTV名場面・珍場面、今年の歌といった年末番組が放送されます。そして番組の最後は、「今年も1年、ありがとうございました。また来年お会いしましょう、どうぞ皆さま、よいヴァカンスを!」ということで終わります。…そう。それからほんとに1カ月、レギュラー番組がおやすみになるんです;) 続きを読む

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Christmas time in Paris… Bonne fin d’année 2011;)

クリスマスのパリ今年も押し詰まって参りました。たいへんな災害の年であった、ということをまず申し上げなくてはならないでしょう。
95年の神戸の記憶にてらしても、被害に遭われた方にとってはまだ何ひとつ終わっていない、というこの年末だろうと思います。また今年の場合、環境や食品などからの広範な影響も、今後どうでてくることか、想像も及びません。。。

…2011年が、ひとつの大きなターニング・ポイントになる、というのは世界的にみても、ありうることかもしれません。
失われた人たちの命はもう、とり戻すことはできません。しかしそれでも、 続きを読む

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モディアノ翻訳計画*Vestiaire de l’enfance〜評価を決定づけた未訳の傑作。

さて、こちらの連載『モディアノ翻訳計画』も、いよいよ佳境に…!?(笑)ということで、日本ではなぜかまったく翻訳されていない、モディアノ、中期の傑作を見てみたい、と思います;)

パトリック・モディアノ…確かにLa place de l’étoile は峻烈なデビュー作だし、フランスを代表する新人文学賞・ゴンクール賞に輝いたRue des boutiques obscures は重要な作品でしょう。邦訳のあるこの後者は日本でもモディアノ・ファンにはとくによく読まれている作品だろうと思います。
『失われた時のカフェで』併録「『失われた時のカフェで』とパトリック・モディアノの世界」でもご紹介したとおり、韓国ドラマ『冬のソナタ』との関連もありますし…;)
しかし、フランスでモディアノの代表作、といえばむしろ90年前後の長篇小説、モディアノが所謂『注目の新鋭』から押しも押されもせぬ重要な作家へ…と移り変わったこのVestiaire de l’enfance そしてそれにつづくVoyage de noces…このあたりがやはり真っ先に挙げられるところ、いちばん定評のある作品ではないか、と思います。今回ご紹介/検討してみたいのは、その問題の日本未訳の傑作、Vestiaire de l’enfance です;) 続きを読む

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自由間接話法とは何か?—かたちと機能、和訳からの観点

巻末併録の「『失われた時のカフェで』とパトリック・モディアノの世界」でもページを割いてお断りしたように、『失われた時のカフェで』は自由間接話法の訳出に独自の工夫をしました。巻末解説、ということで、あまりテクニックなことは説明できなかったということもありますし、またそれ以上に、そもそも自由間接話法とは何なのか?(笑)

パリのエスカレーター英語やフランス、ドイツ、欧米文学を勉強した、という人以外、名前はきいたことがあっても具体的に何のことかまではあまり考えたことがないかもしれません…;)

そこで、今回は「自由間接話法とは何なのか?」ということで、大雑把なところをざくざくっと、しかし“現時点において”あまり大きな間違いのないところで、かつだれにでも納得できるように書いてみたい、と思います。
…目標としては、すぐ以下で見るとおり、これはけっこう高い、ともいえます;) 続きを読む

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