モディアノ翻訳計画

少し気が早いですが…モディアノ作品をもし次に訳すとしたら、という視点からの、モディアノ旧作レヴューです;)

モディアノ翻訳計画*Accident nocturne

今回の新刊『失われた時のカフェで』には50ページの書き下ろし解説が付いています。力作です(笑)この解説を書くために、結局ずいぶんたくさんモディアノの旧作を買い込んでしまいました。

Twitterのほうには何度か書いてきましたが、それで、せっかくなのでその各書をじっくり読んでみました。ポイントは「この作品を僕は訳せるか、僕が訳すとしたらどうなのか…」(笑)さらにいうなら、「モディアノ翻訳第二作に最適なものは?」…これです。もちろんモディアノに見所のない作品はありませんから、ひとつを選ぶ、というのは難しい。また本国とは違い、まだまだ日本の読者に親しみのないこの巨匠の世界を紹介するには…というようなことも考えます。

というわけで、まず見てみたいのが2003年のAccident nocturne。これは僕がモディアノの翻訳を考えた時点での彼の最新作『失われた時のカフェで』に対して、純然たるフィクション、romanとしては前作、ということになります。じつは『失われた時のカフェで』でなければこちらにするか…と当初から検討した作品でもありました。

さて、僕が訳すとしたら…ですが(笑)訳題は 続きを読む

Posted in bibliothèque, パトリック・モディアノ, モディアノ翻訳計画, 翻訳 |