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「《片岡義男》と、その《アメリカ》」を寄稿。— Free & Easy 2015年12月号

51xlRUVVrdLソーシャルメディア(fbページtwitter)ではお伝えしてきましたが、片岡義男さんが描いたアメリカ、ということで、Free&Easy 2015年12月号に寄稿しました。当初はコメントを、というお話だったのですが、これは書いてみたいテーマなので、むしろ原稿にしましょう、ということで書かせていただきました(笑)
 思えばその昔、月刊カドカワで最初に連載させていただいた時(「ギンガム少年物語り」) 、角川といえば当時の片岡さんのホームグラウンドだったので、喜んで片岡さんについてのコラムを1本書いたのを思い出しますが、それ以来、になるのではないでしょうか。。
 しかし、もともとコメントを、ということだったためスペースが限られ、久々のわりに、あまり踏み込んだことは書けませんでした。そもそも一般誌、ファッション誌等では自由に書かせてもらえる長いコラム/エッセイ、というのはなかなかなく、これでも長いほう、という感じだと思います(笑) Continue reading

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翻訳:D. ストリューヴ「源氏を訳す」を訳す;)

日仏翻訳交流の過去と未来: 来るべき文芸共和国に向けてテオリックなものになりますが、ダニエル・ストリューヴ先生の「『源氏』を訳す」(『日仏翻訳交流の過去と未来』大修館書店刊収録)の翻訳を担当させていただきました。
ストリューヴ先生は、現在のフランス、パリ大を代表する日本古典文学の第一人者のひとりで、ご専門は近世文学。以前、フランス語からの翻訳について質問したところ、
現代語だとどうなるかはともかくとして…とどんどん日本語の古文に訳されてしまい、目を丸くした、ということもありましたが(笑)
今回この翻訳を僕に任せてくださったのは、何にもましてまず、先生のご厚意から、ということができます。というのは、高名な日本のフランス文学者に依頼することももちろんできたはずですし、それどころか、ご自分で訳すことだって、当然できたはずだからです(笑)
ひとつには、ここで先生が読者に紹介し、かつ議論の出発点としている、中山眞彦物語理論をストリューヴ先生にご紹介したのが、たまたま僕の研究発表だった、ということがあったと思います。
…一方、理にかなっている点もひとつ挙げるとすれば、ここで議論の基礎になっている全てのナレーション理論が、 Continue reading

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恐ろしく高度で、瀟洒。洗練の極致を示す、夢、または寓話。ため息。

modiano20142014年ノーベル文学賞受賞にともない、モディアノ最新刊 Pour que tu ne te perdes pas dans le quartier が関係者に配布されており、僕も読んでみました。
まず、モディアノ文学がまた新たなレヴェルに到達した、ということがいえると思います。非常に完成度の高かった『失われた時のカフェで』に続いた、L’horizon (2010)、L’herbe des nuits (2012)この2作はやはりやや実験的で、跳躍への準備でもあった、ということが回顧的には判ります。
日本語に訳す、というようなことさえ考えなければ(笑)、それこそフランス人読者であれば、だいじに読んで二晩、というところでしょうか。再び三人称を採用したこともあり、とくに前半はまたがくんとリーダビリティが上がっている、いつものミステリ・タッチが、殆んどほんとのミステリ小説のよう(笑)
より客観的で、ゆえに非常に読みやすい、というしかない、見事な仕上がりになっています。
後半に至って遂に Continue reading

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モディアノ小説選集 Quarto版、登場。

Quarto Modiano Romansソフトカバーでありながら、薄く斤量の小さい白い紙で、大ページ数をも束ね、作家、人文科学者の全作品、または主要作品を纏める、というコンセプトのQuartoコレクション。プレイヤード叢書とはまた違う、ガリマール社の21世紀版新全集シリーズ、といってもいいかもしれません。

…僕も広辞苑より厚いといわれる(笑)『失われた時を求めて』全1巻をQuartoで買いました。コストパフォーマンスと文字の大きさなどから、作品を読むこと自体が目的なら、ほんとに読む気なら(笑)Quarto、という考え方もあるかもしれません;)

このQuartoにモディアノ小説選集が加わりました。
表4によれば;)収録作品は:

Villa triste – Livret de famille – Rue des boutiques obscures – Remise de peine – Chien de printemps – Dora Bruder – Accident nocturne – Un pedigree – Dans le café de la jeunesse perdue – L’horizon

以上10作品。
ぱっと見て咄嗟に思ったことは、これは意外と日本人読者には素晴らしいラインナップではないか、ということでした。10作品のうち、僕の訳した『失われた時のカフェで』を含め、6作品が既に邦訳されています。 Continue reading

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