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日本語でも読める小説ナラション理論の古典×2 …小説の書き方の「ルール・ブック」にも;)

日本でも有名なナラトロジーのジュネット(以前こちらのページでも紹介しました)。
実はフランスでマスターを始めた時に、指導教官から、

“フランスでは文学研究をやる人はみんな学んでることだからとりあえず読んで無駄はないよ”

みたいなかたちで紹介されたものなのですが、読んでみると、小説のナラション(日本語では結局「地の文」に近い?)分析のための理論というだけでなく、自分が長年小説を書いてきて、なんとなくやっていたこととか、
こうしなくてはいけないとか、こうせざるをえない、などと、試行錯誤しながら経験的に学んできた、小説を書くときのいわば「文法」(?)のようなものに、

“なぜそうなるのか(そうしなければならないのか、そうせざるをえないのか)”

という理論的な根拠が与えれられ、

「あー、そうだよね、なるほど、だからかー…」
ジェラール・ジュネット
みたいな(笑)非常に独自の面白さを見つけ、単なるフランスの文学研究の必読図書、という意味を超え、一種の小説の書き方の「ルール・ブック」としても熱心に読んだ、という記憶があります。

日本でも研究者なら誰でも知っているこのジュネット、特に有名なFigure IIIの«Discours du récit»の邦訳版はその後品切れ、今年密かに増刷が行われていたようですが(笑)

一方、このジュネット理論に対し、同等クラスに古典的で、重要なケーテ・ハンブルガーの理論は日本ではそれほどには読まれていないのではないでしょうか。 続きを読む

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ただ、あなたがそこで生きていること。-「クロワッサン」n° 1013号に書評を寄稿

何か新刊の書評を書いてみませんか、とマガジンハウスの方が声をかけてくれたので、隙を見てささっと書いておきました;)

話題の本、気になる本〜「クロワッサン」n°1013
(1月10日発売号)

しかし、広く興味を持たれそうな、日本語の、しかも新刊、というと実は殆んど手にしておらず(笑)引き受けてから、アマゾンで何か面白そうな新刊は。。と物色し、じゃあこれかな…と*一本釣り*で読んでみると(笑)見事になかなかいい本だったので。。;)
どうして僕がこの本に興味を持ったのか、もっというと、この本『みんなにお金を配ったら』(みすず書房)の*ベーシックインカム*という主題がここまでの僕の仕事とどうつながるかということは、簡単にだが書評本文中に書いたので、そのあたりはせっかくなので、誌面で読んでもらうこととして;)
ここではその本文中、原稿用紙3枚の一息では、十分に紹介できなかったことで、まだまだ興味深いことを、けれどやっぱり*さささ*っと押さえておきます;) 続きを読む

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「《片岡義男》と、その《アメリカ》」を寄稿。— Free & Easy 2015年12月号

51xlRUVVrdLソーシャルメディア(fbページtwitter)ではお伝えしてきましたが、片岡義男さんが描いたアメリカ、ということで、Free&Easy 2015年12月号に寄稿しました。当初はコメントを、というお話だったのですが、これは書いてみたいテーマなので、むしろ原稿にしましょう、ということで書かせていただきました(笑)
 思えばその昔、月刊カドカワで最初に連載させていただいた時(「ギンガム少年物語り」) 、角川といえば当時の片岡さんのホームグラウンドだったので、喜んで片岡さんについてのコラムを1本書いたのを思い出しますが、それ以来、になるのではないでしょうか。。 続きを読む

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翻訳:D. ストリューヴ「源氏を訳す」を訳す;)

日仏翻訳交流の過去と未来: 来るべき文芸共和国に向けてテオリックなものになりますが、ダニエル・ストリューヴ先生の「『源氏』を訳す」(『日仏翻訳交流の過去と未来』大修館書店刊収録)の翻訳を担当させていただきました。
ストリューヴ先生は、現在のフランス、パリ大を代表する日本古典文学の第一人者のひとりで、ご専門は近世文学。以前、フランス語からの翻訳について質問したところ、
現代語だとどうなるかはともかくとして…とどんどん日本語の古文に訳されてしまい、目を丸くした、ということもありましたが(笑)
今回この翻訳を僕に任せてくださったのは、何にもましてまず、先生のご厚意から、ということができます。というのは、高名な日本のフランス文学者に依頼することももちろんできたはずですし、それどころか、ご自分で訳すことだって、当然できたはずだからです(笑)
ひとつには、ここで先生が読者に紹介し、かつ議論の出発点としている、中山眞彦物語理論をストリューヴ先生にご紹介したのが、たまたま僕の研究発表だった、ということがあったと思います。
…一方、理にかなっている点もひとつ挙げるとすれば、ここで議論の基礎になっている全てのナレーション理論が、 続きを読む

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