Author Archives: yuichihiranaka

日本語でも読める小説ナラション理論の古典×2;)

日本でも有名なナラトロジーのジュネット(以前こちらのページでも紹介しました)。
実はフランスでマスターを始めた時に、指導教官から、

“フランスでは文学研究をやる人はみんな学んでることだからとりあえず読んで無駄はないよ”

みたいなかたちで紹介されたものなのですが、読んでみると、小説のナラション(日本語では結局「地の文」に近い?)分析のための理論というだけでなく、自分が長年小説を書いてきて、なんとなくやっていたこととか、
こうしなくてはいけないとか、こうせざるをえない、などと、試行錯誤しながら経験的に学んできた、小説を書くときのいわば「文法」(?)のようなものに、 続きを読む

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ショパン、新次元〜4つのスケルツオ編| #新譜早耳2021

いや、あのね、今回は「ことばの綾」ではありません(笑)ほんとに来ちゃった、21世紀のショパン;)

Chopin Études Op. 25 – 4 Scherzi – Beatrice Rana | cd

Twitterでは、日本発売前に大騒ぎして速報もしましたが(笑)ラヴェル「鏡」ストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」でも、そしてバッハ「ゴルトベルク」でも、絶対に無視できない、赤丸新譜をリリースしてきた28歳のイタリアの新鋭が、デビュー盤以来のショパンにアタック。 続きを読む

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[生誕150年特集] プルーストのプレイリスト;)

標題の通り、マルセル・プルースト(1871-1922)、今年は生誕150年記念ということで、作曲家の年次ポストはお休みし(?笑)夏休み利用にて関連ポストを作ることにしました;)

というのも、ひとつにはまず、作曲家のアニヴァーサリーではないものの、ぽつぽつ関連ディスクのリリースもあったから。
プルースト作品は、文学のみならず、絵画、演劇、音楽と、それぞれの芸術分野に関する記述に膨大なページ数があてられている。
音楽の場合、重要なモチーフとなっているのが架空の作曲家、ヴァントゥイユの作品で、この作中の架空の音楽作品、その描写を最初に読んだ際には念頭にあるのはドビュッシーか、とも思ったけれど、むしろフォレの音楽が描かれている、というのがひとつの定説となっています。

そこで、まず最初に紹介するこのアルバム: 続きを読む

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さよなら、ポリーニ、さよなら、アシュケナージ|#新譜早耳2020

最初に断っておきますが、もちろんこのタイトルはことばの綾、というやつでw 70年代のポリーニ、アシュケナージの録音の歴史的インパクトや価値、個人的な愛着などが、消え去るはずもありません;)
が、しかし、それにしても、このプレリュード!

ショパン: 24の前奏曲 エリック・ルー(2020)

この最初のプラージュ、作品28の1を聴き始めた途端(…針を落とした途端、などと書けないところが、デジタル時代の残念さ、ではありますが。。;)
「はーーー、時代は、変わったなぁー!」と唸ること、しきり(笑) 続きを読む

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