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自由間接話法とは何か?—かたちと機能、和訳からの観点

巻末併録の「『失われた時のカフェで』とパトリック・モディアノの世界」でもページを割いてお断りしたように、『失われた時のカフェで』は自由間接話法の訳出に独自の工夫をしました。巻末解説、ということで、あまりテクニックなことは説明できなかったということもありますし、またそれ以上に、そもそも自由間接話法とは何なのか?(笑)

パリのエスカレーター英語やフランス、ドイツ、欧米文学を勉強した、という人以外、名前はきいたことがあっても具体的に何のことかまではあまり考えたことがないかもしれません…;)

そこで、今回は「自由間接話法とは何なのか?」ということで、大雑把なところをざくざくっと、しかし“現時点において”あまり大きな間違いのないところで、かつだれにでも納得できるように書いてみたい、と思います。
…目標としては、すぐ以下で見るとおり、これはけっこう高い、ともいえます;) 続きを読む

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所謂『一人称/三人称』の小説/ナラション…どうして常に「所謂『 』」付なのか?

『失われた時のカフェで』併録の「『失われた時のカフェで』とパトリック・モディアノの世界」でも、こちらのサイトでも、所謂『一人称/三人称』の小説/ナラション という表現が執拗に(笑)使われていることに気づいた方もいらっしゃるかと思います。どうしてこれが常に「所謂『 』」付なのか。どうして単純にあっさり「一人称/三人称」としないのか(笑)
 これにはふたつ、理由があります。 続きを読む

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