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 第3コラム集『ミラノの犬、バルセローナの猫』完全ライナーノーツ。Part 2


前代未聞、初の試み!
著者によるコラム集収録全作品解説!
*は本書のための書き下ろし。

★★

《TV出演とヨブ記》 *

TVをみていてふと思いついたことを書いてみました。それは聖書のヨブ記についての考えで、自分でもかなり飛躍があるなぁ、とは思います。けれど考え自体はしっくりきたし、面白いと思うので、頑張ってそのまま書いてみたのですが、ほんとうは考えそれ自体はそれほど変わったものではないので、どこから実際にその考えを思いついたか、ということにはこだわらず、もっとその考えを説明するためにまず違和感のないたとえなどから書いた方が、読むひとには読み易く了解しやすい原稿になったかなぁ、ともいま読み直すと思いますね。如何でしょう?

《海の猫たち》

初出はご存じ、こちら、WorldClub、ですね(;

今回この本を作ったのは、一にも二にもあるとき『ミラノの犬、バルセローナの猫』というタイトルをふと(車の運転中に(笑))思いついたからで、もしこのタイトルが出なかったら、ここに収められた既出のエッセイもみんなただのバラバラのものとして、そのまま散逸することになったでしょう…。
 最終的には変更することになるとしても、僕はやはりタイトル、そして書き出し、そして最後の1行、というのが仮にでも見えていないと、本を作ることも、原稿を書き始めることもできないんです、じつは(:

 さて、その『ミラノの犬、バルセローナの猫』という総題を念頭に、犬と猫をモチーフにした、旅のイメージ、そしてその旅のイメージと重なるような読書経験・・・まぁ、読書は内面世界の旅、なわけですから(;・・・というこの本の大雑把な世界を踏まえて、まずざっと書いてみたのがこの原稿。
 それでこれはこういう原稿になっているわけですが(笑)もうひとついうと、アメリカのコラムとも日本の既成の随筆とも違う、よく出来ました、という感じのかっちりしたものでなく、むしろ簡単に読む人にはなんだこれ、ただの思いつきで書いてるんじゃないか、と思われるくらいの、非常にゆるい、リラックスした文章、みたいなイメージもここにはあって、まぁ、ここにある材料だけ渡されて、まとめろ、といわれたってバラバラで(笑)ちょっと誰にもまとめられない、そういう原稿になっています。
 バラバラのものを、ちゃんとバラバラのままに見えるように、けれど妙にするっと読めるように、ということを、知らーん顔して(笑)まずここではやってみました。そういうところで、これも本書の方向性を決めた1本です。

《女は顔だ》

これもご存じ、こちらWorldClubのロマンティック・コメディー映画レヴューのページに寄稿した、「愛しのローズマリー」のレヴューが元。
 web用と紙媒体に印刷するものでは、同じ内容を書いても多少文章が変わって来ると僕は思っている。どこがどうweb用で、どうすれば書籍用になるのか。。。web版と見比べて、僕のa fine lineを見定めていただくのも面白いかと思います。
(同じWorldClubに書いたものでも、こちら、オリジナル・エッセイのページに当初パイロット版として書いた原稿のほうは、最初からそのまま書籍に使える文章を書いています。そのために、プリントアウトしないとややweb上では読みにくい文章になっているのではないか、と思っています)

《図と地でいえば》  *

アルマーニから始まる、服の話(笑)。本書にも何本かファッションにまつわる原稿を収録したが、おしゃれも哲学も、同じ視点、まったく同じスタンスから書いてみたい、というのが、いわば僕の基本になる感覚ですね。

 ただ、それはよくある「おしゃれを哲学で読み解く」みたいな80年代ライクな(!笑)ものでもなく、逆に「ハイブロウといわれるものを親しみやいところに引き下ろす!」ということでもない。特に後者は、時としてからかったりお笑いにしたり、ということになって、物事のいい面までスポイルするように思います。

 そんなねぇ、押しても引いてもびくともしない「いいもの」なんてそうそうないんだって! その中には悪いところもあるかもしれないけれど、そのいいところを見て、そこをみんなでだいじにしていってこそ、後に手渡せる(=誇りの持てる)いいものだってできるわけです。僕はハイブロウなものにコンプレックスがないので、そういうものの中に欠点を見つけても、ちっとも楽しい気持ちにはなりません。こういっては悪いけど。

 僕の感覚――こう説明すればそれは判りやすいでしょうか。
 僕はたいへん詩的なクラシックの音楽が大好きです。一方で、スモークとミラー・ボールの(笑)ブラック・ミュージックも大好きです。そのふたつを僕は同じように楽しんでいます。つまり、どちらも「いいもの」であるということで同じ、という見方です。それが何だって、共通する「いいもの」である部分、そこにいつも光を当てたい…。
 おしゃれについて書くように、哲学について書いてみたい。またその逆もあり、と僕がいうのは、つまりこういう意味です(;

《みづきについて》 未発表

 結局単行本には収録しませんでしたが、僕は「みづき」のあとがきを何本か書いてみました。これはそのうちの1本です。

《20世紀のAuld Lang syne♪》

 初出はFase。Faseは車の部品関係のPR誌なので、“車と交通安全”というのがひとつの決まりになっています。位置的にここにきたのは、もちろん次の「スノビズムと他者意識」という僕の私的プルースト論へのプリフェイス、的な意味もあるからですね・・・。

 さて、ここに描かれている、山手幹線以前の夙川を懐かしくイメージできる、というみなさんが、はたしてどの程度いらっしゃるでしょう? 山手幹線の一部となる前、夙川の駅前から高台の上、カトリック教会のゴシックの尖塔の下に続く広い坂道は、道としてはそこだけぽつんと独立したように、いわば駅前の大きな広場のようなふしぎなスペース、空間として、夙川という街の中心をなしていたんだなぁ、という気がします。それが山手幹線という立派な道の一部になって、あの夙川という街のかつての中心感は既に喪われてしまった・・・そういまにして思う。『夙川物語り』みたいな題名の連作作品集をリリースできれば・・・と、ずいぶん長く思っていたくらいの僕なのです( ;

《スノビズムと他者意識》  *

 本書中でも特にとばさずに(笑)読んでいただきたい原稿がこれ。「スノビズムと他者意識」というテーマで捉えた独自のプルースト論、です(;
 本文中にも書いたとおり、プルーストはやはり僕にはとても愛着のある、そして最も親近感を感じる“気の置けない”作家だ、といえるわけですが、同様に、スノビズムも他者意識という問題も、どちらも僕には大変関心のある問題です。ということで、この原稿には僕にとってはキーになるといっていい、さまざまなポイントが含まれていますので、特にぜひ、ゆっくり読んでいただきたい、と思うわけです。

 さらに、ここではフィッツジェラルドについても、以前エスクァイアに書いた原稿(「フィッツジェラルドのパーティ・タイム」)でざっとグラブした、僕のフィッツジェラルド観ついて、もう少し説明してもいます。
 前回のエッセイ集『シンプルな真実』では「物なりの楽しさ」ともう少し本質的な意味での本来の「豊かさ」との関係性がいまひとつ十分に捉えられず、ただ区別されただけで並列的に、並置されたにとどまった、ということがこの間ずっと僕の反省点だったのですが、今回のこの本『ミラノの犬、バルセローナの猫』を書いたことで、僕のなかでは、そのあたりの整合性、位置関係もようやくだいたいクリアになってきた、という気がしてますね( ; 

 …しかし、プルーストについて書いているのに急にフィッツジェラルドの話をするからもうひとつ判りにくくもなるのであって(笑)賢明な著者であればこういう勝手な(笑)例は持ち出さず、たとえばフランス文学ならフランス文学、という整合性の中で、すっきりと安定感のあるテクストを展開するのだと思います。でも、僕は本当に自分が実感の持てることからでなければ、特には何もいいたくないので、それがフィッツジェラルドであるのなら、たとえ体裁は場にそぐわなくとも、やはりなるだけそこから、いいたいことをいいたいわけです…。

《エリート主義ということでなく。》 *

 本書の中でこれが「その時黄金の竪琴は鳴り響く」に次いで長い原稿、かもしれません( :
「――黄金の竪琴――」は、本書の旅行記的な面を代表するところでもあり、経験をそのまま記述しただけ、という部分も長いがこちらはそうではなく、たいへん力が入っている、ともじつはいえるわけです(笑)
“アメリカと日本は一見とても似ているけれど本質的にものすごく違う”と、本書の最初の項(「カリフォルニアの夜の空気、独りであること」)で書きましたが、ここでは、それが具体的にどういうことか、もう少し具体的に書かれてもいます。・・・このように、僕の原稿、それぞれ単体ではややことば足らずのことも多いわけですが(申し訳ない!)僕自身がたいへんクソ真面目な融通の利かない性格で(自慢じゃないが)あるために、可能な限りそれをそのままにはしないぞ、というか、もし辛抱強くお付き合いいただければ(笑)いずれもう少しなりとも、理解され易い説明ができる機会もあるに違いない、と思うのです…。そういうわけで、お手数をおかけしますが、今日その僕の原稿を読んで下さった時間が、いま現在はいまひとつムダにしか思えないとしても(苦笑)もし今後とも僕の書くものを持続的にcheckしていただければ、何かしら、そのぶんさらに考えていただけることもあるに違いない、と思うわけです。ひとつ、よろしくお願いします。末永く、ひとつ( ;

《白と黒で》  *

 えーっと、この原稿がどうしてこういう格好になっているのか、というと、うーん、これは種明かしになるので、こういうことを読むと、せっかくのこの原稿の後味の面白みをスポイルするか、とも思うので・・・まず本を読んでもらってから、ここ、追加でupしますね(笑)

 追記:お待たせしました! この本を既に読んだよ!というひとは、以下の空白部分をポインタで選択し、反転してご覧になってもいいですよ!
 もちろん大抵の方は気づいたと思いますが、この原稿は元々アイディアの時点では、単純にピアノの話で、それがだんだん↓の「終わりの魔法」とふたつに分かれていったわけです(笑)それで、やや短い印象にもなり、実際に書き起こすときにふと白黒写真のことから書き起こしてみたら、それが自然に佐野元春の話になり、結果、こういうふたつにばっくり分かれたものがくっついたみたいな、ふしぎな造形になったというわけですね( ; 構成を考えれば、絶対こういう原稿にはなりようがありません(笑) でもこれはこれで、天然の美(!)なので、そのまま保存しておくことにしました( ;

《地震と車と「細雪」》

 Fase magazine。Faseにはほんとはもっとたくさんたくさん書かせていただいているのですが、“車と交通安全”という通しテーマがあるため、ぜんぶ載せてはそこだけコーナーになっちゃうので(笑)。これと「20世紀のAuld Lang syne♪」、本書にいちばんなじむこのふたつだけを、ご紹介・・・(残念!)  むろんあとの項、「ヒッチコックと谷崎」への先触れ、ということでこの位置に( ;

《なぜいけないのか、というと》 *

 あとの「愛国心」と同じような意味で、「大人の女性」のために書いた原稿なのですが(笑)…わりと長くは語るまでもない、シンプルなディシプリンというか、考え方について何点かだけすぱっと書き記しておきました。

 追記:ところが入稿中にイラク戦争への日本の自衛隊のdeployが決定してしまい、プラスこの件についてももう1点、ということで、これも読んでみればすぐ判るでしょうが、最後の1パラグラフがp.s.的な、追加部分になります。まぁ、これは文の美しさが問題になるような文章でもないのでしょうが…。僕の、独自の一本筋の通ったノンポリというか、へなちょこぶりというか、決然とした不決断、みたいなものを感じていただければ、と思います。まぁ、いわば、僕は不決断のchampion、みたいなところもありますから。。。(;

《「歌が上手い」とはどういうことか?》 *

 うーん、そうだな。この項も、ポイント、小さくしとこう。なんとなく(笑)



Part3へ続く)

表紙画像ミラノの犬、バルセローナの猫
le chien à milan, le chat à barcelone

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