Online readings…

2018年、ドビュッシー・イヤーをふりかえる。

クロード・ドビュッシー

N’écoutez les conseils de personne, sinon le bruit du vent qui passe et nous raconte l’histoire du monde.
– Claude Debussy

誰のことばにも、耳を貸すな。
ただ、ざわめき、風のわたりゆき、語る世界の物語の他は。

– クロード・ドビュッシー

2018年は没後100周年のドビュッシー・イヤーでした。
好きな作曲家、音楽家はと訊かれれば、ドビュッシー、いろいろあっても決して変わることのない、僕にとっては10代以来、これは不動の1位を守り続けてきたわけですが(笑)
ドビュッシー・ファンにとって、今年はまさにお祭りのような1年、これだけ長くドビュッシー・ファンをやってきてw よもやドビュッシー・ファンなどというものに(笑)こんなrewardingな年が訪れるとは…夢にも思わなかった1年でした;)
特に命日に当たる3月25日は、ラジオフランスの音楽局が丸1日ドビュッシーで押し通し、中でもそのピーク・ポイントは、パリ16区、パッシー墓地から生放送、フランス国立管のフルートの1番に、ドビュッシーの墓前でフルート独奏曲「シランクス」を吹かせた、こちらです: 続きを読む

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帰ってきた!ベストバイ・ショパン〜4つのバラード

chopin op 23 derniere page旧サイト時代に、ベストバイ・ショパンというページを作り、当時はかなり多くの人が見にきてくれていました。
それ以降もショパンはやはり間歇的に(笑)聴き続け、自分なりのショパン体験も多少は積み重なった気がしますが、なかなかまとめてみる機会はありません;)
そこで今回は、バラード4曲に絞ってベストバイ形式、いまこの4曲を、それぞれ重複することなく4人の異なった奏者で揃えるとすると…という妄想に(笑)しばし耽ってみることにしました。

バラードという曲種は、そのバラードという名称が、元は物語的な内容を持つ詩であったとよくいわれることもあって、非常にナラティヴなピース、という感じがいたします。
様々な楽想が、時間の経過に従って順番に現れてくる、そこを聴き手が順に辿っていく、というリニアリティ、線条性ということが、ここでいうナラティヴ、という用語の概念ですが、 続きを読む

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2018、平和へのナラティヴ – *ヘン*と*ふつう*と*はじめの一歩*。

20150917_181335坂道を下りながら、ある女の子が、僕にこういった:イスラエルと日本は似てると思う。どちらも自分たち独自のバブルの中にいて、特殊な独自の世界認識を持っている、と…。

ソーシャル・メディア、twitterfbtumblrブログには思いつけば書いてるものの、このメインの公式HPyuichihiranaka.comに、
所謂 opinion pieceめいたものをさすがに思わず書いてしまったのは、最後に2015年13日11月のパリ、テロ後のことだったと思うが13 novembreに寄せて〜フランスの《建前力》
今回もふと、新年に寄せて、そろそろと、こんなことを書き出そうとしてしまったのは、
Atlantic誌のこの記事を目にしたあたりから、かもしれない:現トランプ米政権と、イラク戦争前のブッシュ政権の議論が不気味なほど似ている、というもの。
もちろんこれはただ単に、 続きを読む

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パリで見つけたこの1枚*日本では恐らくふつうに無視される、パリジェンヌなメリー・ウィドウ;)

B00005A9OB以前マガジンハウスHanakoでペク・コンウのフォーレ・アルバムをご紹介した際、実はこのHPのシリーズ『パリで見つけたこの1枚』の第1回で取り上げよう、と思っていたのはこのアルバムだった、と書きました。
パリに来たからこそ出会えたもの、という主旨のこのシリーズですが、
Hanakoにも書いた通り、韓国人の弾くフォーレ、などというものは、日本ではふつうに無視されそう、
よりインターナショナルで、演奏のメカニックな部分が評価され得るドビュッシー、ラヴェル、メシアンあたりならともかく、なんともフランス的な感覚のある、フォーレとなると。。
つまり、日本のクラシック・ファン、レコード評論家の間には、
非常に根深い*出身国信仰*とでもいうべきものがある 続きを読む

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