公式tumblrブログ最新ポスト

…こちらでは、公式tumblrブログ a perfect day for gingham-check の最新ポストを読むことができます。さらに前のポストを読みたい!という方は、こちらから;)
  • ピレスとペソア

    En cette vie, où je suis mon sommeil,
    Je ne suis pas mon sommet,
    Qui je suis est qui je m'ignore et vit
    A travers cette brume que vraiment je suis,
    Toutes les vies que j'ai eues autrefois,
    Dans une seule vie.
    Je suis mer ; clapotis faible, rugissement vers les hauteurs,
    Mais ma couleur provient de mon ciel élevé,
    Et je ne me rencontre que lorsque de moi je fuis.

    - Fernando Pessoa

    poèmes ésotériques, message, le marin, traduits du portugais par Michel Chandeigne et Patrick Quillier, en collaboration avec Maria Antonia Camara Manuel et Françoise Laye, avec la participation de Fernando Antunes, Christian Bourgois 1988, p. 39.

    Maria João Piresのインタヴューを聞いた。

    Maria João Pires (1/5) : “Les jeunes ne savent plus ce que c'est de vivre sans le désir du succès”

    ほんとは、このタイトルに引用されている、

    若い人たちはもう成功を欲さずに生きるっていうことを知らない

    ということばに惹かれて聞き始めたのだけど、
    開始早々インタヴュアーの女性が、
    この人のフランス語の響きはなかなかすてき、こういう人のフランス語を聞くと…特に母音の鳴らし方、よくフランス語が美しい言語といわれる理由が、僕にもちょっと判るような気がします…;)

    上のペソアの詩を引用し、それに対しピレスが
    フランスではピレシュ、日本ではピリスといわれたりしているが、本人はピレス、といっているようなので。。

    解説を加えたのが、非常に判りやすく、腑に落ちたので、メモしておくと、
    ピレスは最後の一文を、
    自分自身に出会う、認識するのは、自分をちょっと忘れてる時
    …と説明し、続く1曲(ファド、ですね;)を少し聴いた後、今度はインタヴュアーが、
    その人生についての考え方、その耳を傾ける能力ですが、いわば自分自身のヴァカンスに入って…といっている。
    ヴァカンスということばが元は空っぽ、ということばに由来している意味合いも、さらに深く理解できるような気が…。

    ペソアはポルトガルの国民的詩人で、紙幣にもなっていたそう。
    生前は無名だったが死後にトランクいっぱいの作品が発見され評価された、という、
    その点だけでいえば、もう、これは、ポルトガルの宮沢賢治(笑)
    ポルチュゲが判らないので、フランス語訳で読むばかりだが、
    この上の詩↑↑など、フランス語で読む限り、なんとも心動かされる。
    …いやー、やっぱり、ポルトガル語。200まで生きられたら、絶対身につけたいところ。。;)

    ポルトガルのピアニスト、ピレスのインタヴューを聞くつもりが、
    ポルトガルの詩人、ペソアに出会う…という話になりましたが(笑)
    昨年の引退表明から、今の音楽界に対する批判的な発言もあり、その辺り、注目していたピレス。

    今の子たち(音楽をやっている)は成功したいという欲望の奴隷

    とまでいっている(笑)

    今回の平日5回帯のインタヴューでも、ほかにも

    “Notre créativité est constamment détruite par ce besoin de compétition”

    ということばがタイトルに引用されたりしている。
    Mercredi 30 janvier 2019 Les grands entretiens Maria João Pires (3/5)

    ここもまた、私たちの創造性は絶え間無く破壊され続けているんですよ、この《競争》というもので…くらいに仮に訳しときます;)

    最終回、5/5では、2000年から商業が大変な力を持ち始め、全ては痩せ細り薄められた、ともいっており、コンサート・ツアーからのリタイアの理由、でもあるのだろう。この商業的な世界から抜け出す必要・欲求があった、とも…。

    ピレスは日本ではモーツアルトの録音で特に名高いが、
    本人は当インタヴュー4/5でシューベルトだけ、ベートーヴェンでさえ、それだけしか弾くなといわれてもいいけれど、モーツアルトだけ、というのは無理、と面白いことをいっていますが;)

    ベートーヴェンもなかなかいい。

    マリア・ジョアン・ピリス Maria João Pires - Sonatas | hmv.co.jp

    全般に音の小さな人、という印象があったが、ライヴなどでばんばん弾いてる時は、お隣スペインのラローチャをふと思い起こさせたりするようなところもあって、またいい(笑)

    マリア・ジョアン・ピリス Maria João Pires - Frédéric Chopin, Prélude en sol majeur op. 28 nº 3 | hmv.co.jp

    4/5では、楽譜に忠実に作曲家の意図を守ることと、奏者のファンテジーの兼ね合いのあり方についても独自の見解を述べており、このあたりに興味がある人は、参考になるのでは…と思う。

    …なお、冒頭に引用したものを含め、ペソアの詩、フランス語訳は他にも掲載している人がいろいろ:
    https://poezibao.typepad.com/poezibao/2006/07/anthologie_perm_17.html
    https://poesiemuziketc.wordpress.com/2013/01/03/fernando-pessoa-poemes
    http://bengricheahmed.over-blog.com/article-pessoa-104309007.html

    yuichihiranaka:
    この記事は面白かったですか? ソーシャルメディアでも更新をフォローして下さい。


    image

    …あの夏、ベルリン。。
    2014年、ベルリン。文学、そして旅の記憶のラビリンス…。
    ようこそ、旅行記と文学論の、ナラティヴな“街の迷路”へ。

    『ベルリン日和』
    “A moment.” …それは《気づき》の時。

    作品についてのコメントはこちら

    03/04/19


  • Michel Legrand,
    le 24 février 1932 - le 26 janvier 2019.

    ミッシェル・ルグランは、このアルバムが出た際に、レコード店のイヴェントに見に行きTernesのfnacです;)

    その時ふとRER、Châtelet - Les Halles駅で見たミュージシャンのことを思い出し、巨匠ルグランと、メトロの無名のアーティスト、という話を書いてみたい、ずっと思っていたのですが、
    なかなか繊細な話でもあり、
    そもそもネットに載せて読み飛ばしてもらうようなものでもないので、そのまま、書かずじまいになっていました。。

    とにかくもう、どんどん人が死ぬのはやめていただきたい、
    それが僕の、偽らざる、心の叫び、
    少なくとも、訃報に気づくと、こうしてその日の予定は崩壊、です(笑)

    …というわけで、僕の見たあの日のルグランの話など、リリカルな部分は全部諦め、最低限、このアルバムについてのコメントを何点かだけ…;)

    まずは、こちらから:

    Natalie DESSAY - Patricia PETIBON “Chanson des jumelles”

    ご存知、Les Demoiselles de Rochfortロシュフォールの恋人たちdvd)より:

    僕の世代のフランス好きの女のコたちは、みんな見てたくらいのものなので(笑)この上詳しい説明は省きますが、

    カトリーヌ・ドヌーヴと本作公開年に亡くなった実姉フランソワーズ・ドルレアックの共演作。ニース国際空港へ向かうルノー10運転中の事故、といわれていますが、

    この姉・弟を失う、という共通の伝記的経験が、

    Elle s'appelait Françoiseに序文を寄せたノーベル賞作家パトリック・モディアノとドヌーヴの親交の基礎にあるとされています。

    Catherine Deneuve et Patrick Modiano, Elle s'appelait Françoise

    …いうまでもなく、ルグラン音楽ジャック・ドゥミ監督ドヌーヴ主演の大ヒット作シェルブールの雨傘dvd)に続くミュージカル作品。

    このアルバムのシンガーNatalie Dessayはかつてコロラトゥーラの名手として日本でもオペラ・ファンにその名を轟かせていたし、
    こちらも僕が実際に見た感じ、
    またそれ以前に、フランス語が判るようになってインタヴューで話しているのを聞くとガラガラと印象が変わってしまった、といった、その辺りのことも、今回のところは措くとして;)

    ↑↑のデュエットで共演しているパトリシア・プティボンについてのみ付言しておくと、
    自分の妹みたいなもの、とナタリー・ドゥッセもいってたくらいで、レバトワに重なるところも多く、フランスではスター、
    1度バスティーユで実演も見たことがあるが、Les Contes d'Hoffmannのオランピア役で、当時妊娠中だったらしく、
    そんなゴシップに疎い僕は、
    。。オランピアが、妊娠。。うーむ、いったいこの演出の意図は。。??
    とフロイト的な迷路を軽くさまよった記憶アリ(笑)
    覚えておいていい歌手、と思う。

    冒頭のヴィデオ↑↑で、6歳の頃の夢は、カトリーヌ・ドヌーヴになることだった、といっているドゥッセ。
    妹分と目するプティボンとの共演では、結局姉のフランソワーズ・ドルレアックのパートを歌っているところも、ちょっと面白いですね:

    さて、このアルバムには
    Les Parapluies de Cherbourgほかなどからの有名な曲も収められているが、 僕としてはぜひ聴いてみてほしいのが、まず:

    La valse des lilas

    中間部からのスキャットシンギング。
    よくフランスがステキ、パリがステキ!という人がいるけれど、
    こういうのを聴くと、ああ、なるほど、
    フランスがステキ!って、多分こういう感じのことをいってるのかなぁ。。
    と思ったりもする(笑)

    冒頭ヴィデオ↑↑のレコーディング風景からも判るように、昔ながらの1発どり式の、時代がかった豪勢な録音スタイルを取っている、と思われ
    また、youtubeに数多上がっている二人共演のライヴ・ツアーなどの映像を見ても、
    ルグランのスキャットは、ほんとに弾き語りで録っているのだろう。
    昔のジャズのシンガー/ピアニストはよくやっていたけれど、
    機械頼みの最近のミュージシャンには、まず絶対に真似できない、
    本当に、飛び離れた音楽性、ミュージカリテを持つミュージシャンしかプロにはなれなかった、
    もう二度と帰ることのない、往時のレヴェルのものすごさが偲ばれる。。

    そして最後に、初めてこのアルバムを聴いた時、
    パリ市の図書館で借りてきて、レファランスとして参考までに、ながらでざーっと聴き流すだけ、のつもりだったのに、
    ガツンと掴まえられて、そこからえんえん、無限リピートに入ってしまったのがこの1曲:

    Paris Violon

    古今に街を歌った名曲は多いが、
    その街の人々やその精神でも、
    その街に生きるライフスタイルや感覚、価値観でもなく、
    こんなふうに、街そのもの、それ自体に対する愛を歌い上げた曲、
    というのはちょっと他にないのではないか。
    やはり、パリならでは、というか、
    そこに暮らす人でもないし、その街での暮らしぶりでもない。
    ただ、ひたすらにパリという街それ自体に対する、説明不可能な、底知れぬ深い愛を改めてしみじみ噛みしめることができ、
    思わず涙が浮かんでくる。

    日本人、日本語話者に生まれて、多分いちばん素晴らしいことは、
    思いやりの心やおもてなし等が判るからではなく(笑)
    源氏を読むことができること。
    源氏を読んでいると、そう思う。
    こういうと、大げさに聞こえるかとは思うが、
    それと同じような意味で、
    この歌のフランス語が、自然に、順番に、
    しみじみと心に入ってくる時、
    ああ、本当に、フランス語を勉強して、よかったなぁ。。
    と、何度聴いても、そう思う。

    Michel Legrand, Natalie Dessay - Entre elle et lui

    #フランス語

    yuichihiranaka:
    この記事は面白かったですか? ソーシャルメディアでも更新をフォローして下さい。


    image

    …あの夏、ベルリン。。
    2014年、ベルリン。文学、そして旅の記憶のラビリンス…。
    ようこそ、旅行記と文学論の、ナラティヴな“街の迷路”へ。

    『ベルリン日和』
    “A moment.” …それは《気づき》の時。

    作品についてのコメントはこちら

    01/30/19

  • photo from Tumblr

    ご相談:ホームページのモバイル版で、iframeを使うとリダイレクト?でページが表示されなくなってます。wordpressベースですが、詳しい方、直していただけませんか? お礼は寸志ながら0.001btcでいかがでしょう?;) bitcoinの明るい未来を信じられない方はw KyashかLine Payでお送りします。どうぞよろしくお願いします:)

    問題のHPのurl: http://yuichihiranaka.com

    (参考:左が現行モバイル版トップページ;右はもうめんどくさいので、この際別のテーマを作りかけたもの;)

    01/15/19


  • 2019年、ブレない強さ。

    2019年が始まりました。

    アメリカといい、韓国といい…
    ロシア、中国はもちろんですが、
    どうも世界の*オラオラ化*が進んでいるように思います。
    日本もゴーン逮捕・勾留の手法、国際捕鯨委員会脱退、と
    やや地味目ながら(笑)ちゃっかりこの機に乗じ、
    *オラオラ国家*の仲間入りを果たしているようです;)

    ナショナリズム、ゼノフォビア、セクシズム、経済差別。。。

    不安材料ばかり目につきますが、
    どうにか20世紀の二の舞だけは、避けたいものです。

    というわけで、今年は、世界中の、そして就中日本で、

    自由と、人権と、社会正義、反戦平和のために戦っている、
    偏見、差別、独裁、少数派への迫害と戦っている皆さまとともに、

    この1曲を聴きながら、始めたい、と思います。

    We Shall Not to Be Moved by Mavis Staples

    私たちは、動かない、水辺に植わった樹のように。
    組合が味方だ、動かないぞ
    自由のための戦いだ、動かないぞ、
    子どもたちのための戦いだ、動かないぞ、
    黒人も白人も一緒に、動かないぞ、
    水辺に植わった樹のように、私たちは、動かない。

    **翻訳のポイント**

    原詞にはshallがあって受動態になっていることは、中学生でも判ると思いますが、
    これは有名なプロテストソングですので、到着言語でもちゃんとプロテストソングとして伝わる、というのが翻訳の最重要課題です。
    中学校の英語の試験で、辞書の訳語を逐語式に漏れなく記述しているかどうか、で理解度を判断され
    (漢文読み下しの伝統の影響ですが、それを無神経に*直訳*とまで呼び習わしているのが、深刻な問題ですが;)
    ○×をつけられたことのトラウマから(笑)
    なかなか立ち直れない、という問題はあると思いますが、
    翻訳する、ということは、原文が表現していることを別の言語で表現する、ということで、
    原文に書かれていないことを付け足すのは改作に当たりますが、
    原文に書かれていることを漏れなく記述して○をもらうことよりも、
    原文の表していることのプライオリティを見抜いて、そこを守る、ということも忠実な翻訳の本質だろう、と思います。


    01/01/19

  • photo from Tumblr

    これは、本当にすてきなクリスマス・アルバム。

    Verbum caro factum est - a Christmas Greeting
    Bach Collegium Japan Chorus Masato et Masaaki Suzuki

    フランスでも、現代を代表するバッハ解釈者、といえば、ふつうに
    クイケン、ガーディナー、エルヴェッグあたりと列挙される、マザアキ・スズキ;)

    ラジオ・フランスではこのプラージュが紹介されていましたが:

    Hark theheraldangels sing - pourchoeur mixte a cappella

    その際にも、最初のcoupletは日本語で歌われている、としっかりフランス語で説明されていましたよ;)spotifyはこちら

    …しかし、オザワやウチダのように、欧米に移住して世界的な名声を得る人はいたとしても、日本国内を拠点に世界のトップと伍す、というのは。。
    Bisレーベルの存在、というものもあるかもしれませんが。。

    こういうことをされてしまっては「所詮は西洋音楽だから、日本人奏者に対しては偏見があって、なかなか実力が認められないんですよ…」
    などともいいづらくなってしまうのでは。。と、余計な心配もしたくなりますね。。;)

    ともかく今年のノエルの贈り物は、これにて:

    amazonストリーミングはこちら
    spotifyはこちら。

    では、暖かくして、どうぞよいクリスマスをお過ごし下さい。

    Very Merry Christmas to each and everyone!

    12/21/18

平中悠一公式tumblrブログa perfect day for gingham-check
公式HPでは取り上げない、政治や社会、Geekやポップス、ジャズ、TV、etc, etc…
インターネットで見つけた気になるものの、スクラップ・ブック。
最近読みたい雑誌がない、というあなたのために。…グラビア・ページもあります;)
全てを楽しむには、こちらから…。
Pocket

Comments are closed.